Wikipediaの唐沢俊一

唐沢スレ23Wikipediaの話題が出ていたのでチェックしてみたところ、「盗作問題」の項が大幅に加筆されていた。今後も加筆修正されていくだろうが、現時点での最新版を引用して記録に留めておく。

盗作問題

幻冬舎からの著作『新・UFO入門』の中で、アマチュアのブログ「漫棚通信」の中の『山川惣治と空飛ぶ円盤』の文章を丸々写し、ブログ主宰者からこれは盗作ではないかと指摘されると、謝罪は行ったものの「ケアミス」で引用した旨を書き忘れたと言い訳し、盗作であるとの事実は否定した。

しかし、引用元である筈のブログ文章から、てにをは言い回しなどを微妙に改竄している為、決して通常の引用行為とは言えず(「同一性の保持」など、引用の規定に反している)、他人の文章を己のものに見せかけようとした意図は明白だった。さらには「ある作品のストーリィを紹介するという性格上、参考にさせていただいたサイトとの記述の非常な類似のあることも事実です」と、引用ミスであるという言い訳とは矛盾することさえも主張した。

唐沢とブログ主宰者の交渉は幻冬舎の法律担当に引き継がれたが、その法律担当者は、交渉の経緯をブログで公開するな、唐沢俊一幻冬舎と言う固有名詞を記すな、場合によっては法的手段に訴えると、一方的に要求を重ねた。

結局、交渉は決裂となり、『新・UFO入門』は二刷で「無断引用」の旨を記して刊行されたが、それに関して書店はおろか当事者であるブログ主宰者にも一切の連絡はなかった。

12月25日発行の『社会派くんがゆく! 復活篇』では、以上の話し合いが決裂した本当の理由について、ブログの主催者が「さらに通常の、このような場合の謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求までしてきた」為に「今後、単純な引用ミスをおかしただけの同業者が、これを前例として相手に過大な謝罪を要求されるという事態を招きかねない」からであると、本来は盗作の被害者である筈のブログ主宰者に責任があると取れる記述をしている。一方、ブログ主催者はウェブにすでに公開された唐沢側の文書のみを材料に(つまり、第三者から見えない場所でどのようなやりとりがあったかについては一切言及せずに)、唐沢の主張が虚偽であることを証明して見せている。

これまで唐沢の主張は自身のサイトとネット版の『社会派くんがゆく!』のみに掲載されていたが、ここに至って削除も敵わない印刷物となったことから、不用意な文言が唐沢の文筆家としての活動に大きな影響を与えることになった。

その後、月刊誌「創」で行っている岡田斗司夫との対談連載「オタク論!」2008年2月号掲載分にて、唐沢が「私の、「新・UFO入門」関係の騒ぎについても、週刊誌はきちんと私の方の言い分を確認してきたけど、ネットでいろいろ論評していた人間で、「唐沢の見解はどうなのか」と尋ねてきた人は一人もいなかった」「著名な作家とか評論家とか名前がある人で今回の件に言及している人も、一切コンタクトしてこないし、そもそも私のサイトも見ない」と発言したことから、盗作問題が発覚した直後から唐沢に対する糾弾を続けていた推理作家・藤岡真が唐沢に対して説明を求めるメールを送った。

その返答で、唐沢がブログ主催者への批判として主張している「このような場合の謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求」とは、唐沢が言い訳として使用した引用ミスではなく、盗作という言葉を謝罪文などに反映させることであったと説明し、それが本当に盗作とされている問題にて「過大な謝罪」であると言えるのかという疑問を残す結果となった。さらに後日、ブログ主催者は「交渉の最初期の段階で、「盗作」「盗用」あるいは「無断引用」などの文言は使用せず、「ほぼ同一の文章を無断で掲載してしまった」という表現を使用することで、双方で合意していました」とコメントし、それが真実であるならば、唐沢は藤岡からの質問に虚偽の返答をしたことになり、主張している「このような場合の謝罪のレベルを大きく超えた範囲の要求」自体の存在も怪しいということになってしまう。

また、唐沢が「私の方の言い分を確認してきた」としている週刊誌『週刊新潮』が、もう一方の当事者であるブログ主催者の言い分は確認していないという事実に対する質問に、唐沢はブログ主催者がメールアドレスを公開していなかったので取材が出来なかったのだろうと返答したが、実際はブログ主催者に取材依頼はあったものの、まだ交渉中の時期であった為、円満解決を望んでいたブログ主催者が断わっていただけであった。もちろん、ブログ主催者はサイト上でメールアドレスを公開しており、唐沢自身が相手のサイトも見ていないのではないかという皮肉な結末を見せて終わった。

漫棚通信」に続いて、作家・新戸雅章の著作『六〇年代のハルマゲドン −UFO教団CBAの興亡―』(文章はネットにも掲載されている[2])、及びアマチュアのサイト「UFO事件簿」「塩サバ通信」からも、『新・UFO入門』の中に無断で文章を改竄し使用しているのではないかとの指摘がされている。

事件発生前に自身のブログで『新・UFO入門』を褒めていた新戸は、この指摘に対し「あらためて読むと、たしかによく似てはいる」「これだけ似ていると、やはりいろいろ勘ぐられるのも仕方がないかもしれない」と発言し、さらに「わたしのような無名の著者でも五分の魂はある。あまり軽く考えないほうがよいのではないだろうか」「今回の件でもし思い当たる節があるなら、唐沢氏は素直に謝るほうがよいし、それが将来のためでもあるだろう」とコメントしている[3]。「UFO事件簿」の主宰者である雅氏も、事件発生当初は唐沢に対して同情的な形のエントリをブログに記していた[4]が、自身のサイトとの類似に関する指摘に対して、一言「アレマア!」とコメントを残している。

脚注
2. 六〇年代のハルマゲドン
3. 「新・UFO入門」ふたたび
4. 唐沢俊一転載問題

(強調は出典ママ。脚注のリンクは表記を変えてある。)

百科事典を標榜するWikipediaにしては、ちょっと強調(太字)が多すぎるような気もするが、いずれしかるべき形に落ち着くだろう。